後書き

 これも文芸部用です。例によって。
 まずキャラクターですが、初めは「赤い月」のコンビも異性にするつもりでした。しかし、俺は異性がくっついているとなるとどうしても色恋のほうに走ってしまう癖があり、このシリーズは内部でそう云う方向にはもって行きたくはなかったので、同性なら問題ないだろうと。そんな程度で、ファルと真夜のコンビが出来上がりました。二人の性格や言葉遣い、そして外見等も、なるべく両極に分かれるように設定してから話の筋を立てていくわけです、これが。

・依頼一 相談事務所「赤い月」

 初話である話です。なるべく短く簡潔にまとめるつもりでしたが、少し長く、そして説明的になってしまった気も。
 ソロモンの魔術(とくにゲーティア)を中心にしました。本当は悪魔召喚ではなく、悪魔喚起と呼ぶのが正しいと言うことなので、この話ではその両方の呼び方を使わせてもらっています。注訳的ですが、悪魔喚起の儀式に必要なものはソロモンの魔法円とソロモンの魔法三角形のほかに、台、ペンタクル(五芒星形を描いたペンダントのようなもの)、指輪、呼び出す悪魔の図形を描いたジシル(印)、硫黄、良い香りのする香、鉄の小箱、そして短刀(話の中では『風』とされています)等が必要ですが、かなり省略してあります。もともと、現存する魔術というものをそのまま話の中に使おうという気はさらさらなく、なるべくオリジナリティのある魔術と言うものを優先しようと言う考えのもとの事なのです。しかし今回はオリジナリティがあまり出なかった……
 ファルと真夜両方目立つ、というか、紹介程度にはなったかなと思います。そして嘘科学はこの回ではほとんどありません。

 しかし俺は短編と言うものが苦手なのです。もともと話の大筋を考えておくのですが、書いているうちになんだかつまらなくなってきて、どんどん脇道にそれていく。そして、うまく本筋と繋がらないかと思って書いているうちに、気づいたら長い文章になっている。それがいつものパターンなのです。一つの話に入れたいことは沢山ある。長編ならその大部分を入れ込むことができるのですが、しかしその山から少しをすくって短編でまとめるという作業は、俺には難しいのです。だからと言うこともありますが、今回の短編は俺にとって結構な勉強になりました。


                            時間伯爵